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ゴール直後、人垣ができた。「優勝したカスペがきた!」と思って走って行った。突如、息を呑んだ。目の前に血の付いた脚が横たわっていた。しかも血に染まったイエロージャージが見える。昨日優勝して栄光を浴びたヒュースホーウトが、今路上で血まみれになっている。怖い光景だった。
好事魔多し。イエロージャージを着たあとのTTTで ひどい落車をしたザブリスキーのことが頭をよぎった。しかし、ヒュースホーウトは、あす出走するという。
一体彼になにが起こったのか?落車はなかった。ゴール地点では、事情を聞きだそうとするメディアがあちこちで関係者にインタビューしている。しかし、情報は錯綜していた。唯一、「ゴール後に倒れましたが、これはゴール前のできごとです」というコメントだけは間違いないようだった。
宿のTVでリプレイを見た。ゴール直前、身を乗り出した観客の応援グッズ(大きな手)が、腕にぐさりと刺さり、腕が真横に切れたのがわかった。彼はそのまま9位でフィニッシュ。腕のケガの直後は、自分でもすぐに状況が飲み込めないようだった。なんかへんだな?という感じでゴール直後に右腕をちらりと見ていた。その後、おびただしい出血で路上に伏したのだった。
CAのルジェ監督は携帯電話の対応に追われた。数時間前、TVのインタビューで、「プロローグの優勝は予想外でした。むしろ第一ステージでのスプリント優勝の方が狙いでした」、と笑顔で答えていたばかり。「暗転」とは、このことを言うのか。