.... ツール・ド・フランス 2006 レポート● ランディス復活優勝で総合順位が大幅に変更
● ランディス:「(アタックするしか)選択肢がほかになかった」
前日の様子では、もうランディスのツールは終わった、そんな雰囲気も周囲には漂っていた。しかしそれを跳ね除けて、彼が驚異の意地を見せてくれた。なんと2位のサストレに5分42秒、イエロージャージのペレイロに7分8秒の差をつけて区間優勝。
これで一気に総合優勝のゆくえが混沌としてきた。それにしてもランディスのガッツ!!前日の総合11から3位に浮上。再び優勝候補に蘇った。ドラマのようだ。
ランディス:
「これで、自分がツールで優勝したがっている、ということが明らかになった。最終日まであと2日ある。TTに向けて、燃えている。今後、脚がどれだけ自分に残っているかはこれから答えがでる。」
「今日の逃げは、最初から決めていた。とにかくなるべく早いタイミングで抜け出したかった。昨日はがっくりだった。調子が出ないのはどうにもコントロールがきかない。でも今日考えた。少なくとも戦い続けることを頑張ってくれたチームメートたちに見せることができるんじゃないかって。とにかくアタックという選択肢しか僕にはなかった。」
「僕の集団からのアタックはみんな予期していないタイミングだったらしく、後方プロトンが意思統一をもって追ってくることはなかった。その後タイム差がついて、あとは最後までいくしかない、と思った。」
上記写真は03ツール。山岳ステージ終了後。中央はランスのボディガードのアーウィン、右がランディス。快活なアメリカン。
一方で、ペレイロも踏ん張った。ランディスの独走を許すも、この日のタイム差を7分8秒と最低限にとどめた。ちなみに、ペレイロのことは昨年9月15日付けのトクダネで紹介している。(タイトル:プロトン一の"メトロセクシャル")
右の写真は昨年ロマンディの初日プロローグ を制し、リーダージャージを着た時のペレイロ。
レース:
序盤シンケヴィッツ、アルガン、タンキンク、リギ、ルムヴェル、ガラテら10人少々の逃げが決まった。後方ではランディスがプロトンから上りのタイミングで逃げを決めた。昨日クラックしたランディスということで油断があったのか、あるいはタイミングが早かったので、最後の上りまで脚をためたかったのか。
98km地点でランディスは前方逃げグループに追いつく。その後は次々に選手を振り落とす。最後は先頭交代をしなかったシンケビッツを容赦なく振り落とし、遂に単独トップに。
ゴール地点モルズィーヌの手前の上りでは、有力選手が最後の猛追。サストレ、モロー、ボーヘルト、クーネゴ、クレーデン、エヴァンス、シュレックらがそれぞれMaxの力で最後の上りに挑む。
しかし、ランディスとの差は縮まらない。これはリース監督も計算外だった。山岳ステージをひとりで逃げ切れるわけはない、差はもっと縮まるはず、と思っていた。
結局、
ランディスが区間優勝を手中に収めた。最後は怒ったような表情でこぶしを振り上げた。
公式に発表されたツール故障者リスト
頭痛: フレイレ、ヴェーニッヒ、ベントソ
胃腸のトラブル:バンデベルド、ヒュースホーウト、マルチャンテ、カルカーニ、マンジャン、メルカド(リタイヤ)
鼻血:ゴンチャル、ヴェークマン、ポストフーマ、フェドリゴ
落車による右足のケガ:デッセル
痛み:シャヴァネルとブラント(第16ステージ落車による)
呼吸器の問題:ヴロリッヒ
ヒザの痛み:ムゲーリ
肩の痛み:クニー

こんなメール到着。
『開幕直前のスキャンダルはあったものの、ふたを開ければ去年までの一種硬直?した展開とはうって変わって戦国時代の様相。いろいろな選手が日替わりで活躍していますが、頑張っているなあと思うのはモローとボーヘルト。
特にモローは切れてもまた這い上がってくる、去年までとは一味違うねばりを見せてくれています。 彼にとって、今は選手生活の最終コーナーあたりだと思うのですが、何か期するものがある、そんな走りです。』
確かにボーヘルト、モロー、フォイクトといった(自転車競技界の)熟年世代が頑張っている今日この頃。フォイクトはマスコミ相手にレース前、いつも熱弁ふるって熱い、ボーヘルトはたかだかパワージェルを取るだけの行為でも、歯をむき出しにして頑張っている。
そこへいくとモローはレース前、いいのか悪いのか気迫を表に出さない。でも、やる時はしっかりやってくれる。
写真は今年もツールでクレディリヨネの仕事をしている奥さん。奥さん、モローに群がるファンをしっかり監視していた。